ペルソナ4 10周年に寄せて

ペルソナ4の10周年、改めておめでとうございます!

遅くにハマったわたしですが、10周年という記念すべき節目をお祝いできるというのは本当に光栄です。

無印から始まり、P4A、P4GA、P4G、P4UP4U2、PQ、P4D、それにタッグバトル…と、今に至るまで終わらないコンテンツとして常に新しいファンを取り込んで盛り上がり続けてきたペルソナ4。本当にすばらしい名作だと思うし、変わらない愛を注ぎ続けてきたファンの皆様の熱量も衰えることを知らなくて、新参のわたしは末席でいつもすごいなあと尊敬の眼差しを送っています。

みんなすごい。愛がすごい。毎日誰かしらが新規のイラストやSSやネタや語りをツイートしているのがすごい。それにすごい数のいいねやRTがついているのもすごい。新しいグッズが出ることがすごい。その新しいグッズが新シリーズに負けず劣らず売れていることがすごい。イベントのサークル参加数が衰えないのがすごい。本当に、ジャンル愛がすごい。

これだけ流行の移り変わりが早い世の中で、たくさんの人が変わらずにひとつのジャンルをずっとずっと愛し続けて、それが惰性にならずに常に新鮮であり続けてることが本当にすごい。八十稲羽のモデル駅が改装されても、ガラケーからスマホに持ち物が変わっても、ファンの愛はずっと変わらなくて、番長働き過ぎ、なんて言われるくらいに息の長いコンテンツであり続けているなんて本当に本当にすごい。

その愛の宴の末席にひっそりと存在できていることを嬉しく思います。

わたしがペルソナ4をやったきっかけは本当にぼんやりとしたもので「暇だしなんかゲームやりたいな。ほうペルソナの新作が出たのか。ペルソナかあ、そういえば人気あるよなー。4はこんだけ派生作出てるし、きっと面白いんだろう。どれどれ…」みたいな感じでした。始めたときはまさかこんなにハマるとは思いませんでした。

高校時代という、箸が転がっても笑うような万年ハッピー状態の楽しさと、アイデンティティを確立するまでの日々の悩みとが渾然一体となっていた青春時代の一年を、まんま追体験できるようなゲームシステムとシナリオにシビれたことは言うまでもありませんが、やっぱりこんなにずっぽりとハマったのは、花村陽介の存在がとても大きかったと思います。

マジで前知識がほぼない状態で無印を始めた(P4Aはリアタイで3話くらいまで見てたけどほぼ内容忘れてて、勝平ちゃんボイスの謎のクマが出てくることしか覚えてなかった)わたしは最初本当に花村陽介ノーマークで、ご多分に漏れず「チャラそうな子」が第一印象だったんですけれども、ゲームにのめり込むにつれてみんなええ子やなって思ってきて、林間学校であれ?胸がどきどきするぞ?となって、主花沼にズボー!といったのは、魔術師コミュ8でした。

夏前くらいに、鮫川土手を歩いているおばあさんに「ここだと思ったタイミングで告白すれば恋人ができる」みたいな情報を教わったときに「ハア!!??このゲームこここ恋人とか作れちゃうやつだったの!!?なにそれ恋愛シミュレーションじゃん!!!えっ花村くんとは???お付き合いできるんですか?????」ってめっちゃ興奮したことを覚えています。そのあとにコミュ8で抱きしめたので(初プレイ時安定の6月抱擁でした)、「主花はつきあってる!!!」って思いました。

その翌日にはもう、見ちゃ駄目だ絶対ネタバレてしまう…駄目よ、駄目だったら…!と葛藤しつつもつい、どうしても我慢できなくてpixivを覗き主花タグ検索してしまいました。そんで案の定「ハ!?女装!!?こここれみんな同じ格好させてるけどまさか公式でじょじょじょ女装クルー!!?」とか、「おや…?あの人なんかゲス顔してるイラストたくさんあるけど、もしや…?」とか、まあその、いろいろ先に知ってしまったんですけれども、それでも本当に新しい世界にハマれたのが楽しくって楽しくってですね……しかもいくらでも出てくるんですよ本当に……その時点で確か主花タグは5000件を超えていたので、ゲームを進めつつも(マンガや小説のストーリーバレはさすがに厳しいけどイラストだけは…!)って並行で二次創作を見て…

一周目クリアには1ヶ月くらいかかったんですけどもう終わりたくなさがやばかったですね… 八十稲羽から帰りたくないって散々ごねて、12月の真犯人倒すまでのセーブデータを2回くらい遡ったりしてね…

けど全部クリアしたら二次創作見放題…!と思ってそれだけを頼りにクリアしたんですけどね…わたしは無印からだったので、他の派生作やP4G準拠のお話はそれでも見れなかったりしてね…なんかいろいろ順番間違えてるけど、でも本当に…楽しかったんですよ……わが青春が戻ってきたみたいで…

そんとき直近で冬コミがあったもんで1日目休み取って一般参加で本を買い漁り…ああもうタイミング的にみんなペルソナ5に移動しちゃったかもな…と思いつつ行ったらたくさん主花サークルさんがいてくださったことの嬉しさ……今も忘れませんし今でも本当にすげーな嬉しいなって思ってます 本を買わせてくださって本当にありがとうございます…

無印では陽介はあまり「相棒」って言わないんですよね。一斉攻撃の「行くぜ相棒!」くらいしか言ってないんじゃないかな。

でもあの「行くぜ相棒!」は本当になんか ニコッてしちゃう嬉しさがありますよね。なんだろう、「相棒」って言葉は割合古くさいというか、オールドタイプな男同士の関係的な響きだと思っていたもので、花村陽介みたいな現代っ子が「相棒」なんていう、ちょっと恥ずかしい言い方を(始めは勢いであっても)してしまっているところが、たまらなくかわいいというか、男の子だなあって感じがしてとってもいいです

現代劇のペルソナで、ふつうにそのへんにいてもおかしくない感じのリアルな高校生男子が、友達を「相棒」って呼ぶことの違和感というのかな、なんというか、違和感があるからこそ、その言葉が特別に響くというか。

わたしいちおう女子ですけど今まで生きてきて相棒なんて呼ばれたことは(当然)ないし、リアルで呼んでる人、呼ばれてる人を男子でも、まー見たことないですよ。ペルソナはリアル寄りのキャラ造形だから、他の作品で遣われててもあまり意識しないそういう言い回しが、なんかすごく自分事のように感じられてしまうというか、…うまく言えないけど、とにかくなんかこう、すっごく嬉しい。一斉攻撃のときに行くぜ相棒って呼ばれるの、きゅんってする。やっぱり「行くぜ相棒!」が、一番最初に陽介が気になった瞬間かもしれません。このチャラそうな子の口から、相棒だって…!っていう、なんか不思議な嬉しさ。

アニメとかGではすっかり「相棒」キャラになっている感のある陽介ですが、それだけきっとユーザーは彼の相棒呼びが嬉しかったってことなんじゃないかなと思います。やっぱりさあ、自分(≒主人公)のことを相棒だと思ってくれてるキャラには、思い入れちゃうよねえ。相棒で、特別で、それが羨ましいと思ってたこともあって…なんて言われたら、嬉しいよねえ。

魔術師コミュはどれも好きなんですけど、やっぱりコミュ8は特別です。

ペルソナ4のコミュではどのキャラもみんな、番長くんという鏡を通して自分自身の問題に自分で向き合い、それを乗り越えて前へ進んでいくけれども(好き)、陽介もコミュ8では一生懸命、小西先輩を亡くした悲しさと向き合おうとしていて、現実逃避したかったんだってこともヒーローに憧れて犯人探しに酔ってた自分も認めて、全部一人で解決しようとしているんですよね。

その前のコミュ7で、「悲しかったんだな」を選択すると8で「胸を貸す」が選べるようになりますけれど、あれはどういうことなんだろうってずっと考えてて。

いろんな解釈ができるけど、あの「悲しかったんだな」という一言で陽介が目を逸らしていたことに気づかせてあげると、8で泣いている陽介の、自分で泣いて自分で解決しようとしてる陽介の寂しいつらい気持ちに、限りなく近くまで寄り添うことができるってことなのかな。

自分また別のとこでは別の解釈をしていそうな気がしますが(解釈って幾通りもあったほうが多方面から検証できていいと思ってるので)、陽介はあの時、基本的には泣くことで無意識に自己解決しようとしていて、番長くんはそばにいて、ただ聞いてくれてるだけでいいって、思っている陽介に番長くんのほうから一歩踏み込める、ってことなんじゃないだろうかと思います。

あれは陽介が胸を貸してほしがっていて求めていることを番長くんがしたのではなくて、番長くんが陽介に胸を貸したくなったからあの選択肢が出てきたんだと思いたいんですよね。何かしてあげたいな、って。ただそこにいて聞いてくれてるだけでいい…っていう花村陽介に。「ばっかやろ…そういうのは女の子にしろよな…」も、ものすごく陽介らしくて大っ好きな返し…!今更何言ってんだって感じですけどね!でも何百万回考えてもいいじゃないですか!僕ぁ好きだなあ コミュ8…ずっと何年先も魔術師コミュの話をしたい自分でありたいなあ…ペルソナ4を愛し続けている諸先輩方を見習って…

なんか書きたいことまだまだいっぱいあるんですけど気がついたら23時すぎてたのでここらでタイムアップ!

自分語りの長文にここまでおつきあいくださりありがとうございました!!