わたしと幽白

幽白オンリーお疲れさまでした。
本当に楽しかったです……(放心)

いやもう、今別ジャンル(P4)で初めて本出すのに修羅場ってる最中で、正直幽白まで手出すのは欲張りすぎだったか…と思っていたんですけれども、実際会場に行ってみて、もう夢みたいに楽しくてイベント中もアフターもみなぎりまくり、あっという間の一日を過ごしました…!

今回落選されたサークルさんがいるほどの盛況ぷりだったと伺い、こんなんでよかったのかと申し訳なくなる体たらく。
でもわたし以外の二人は幽白オンリー参加14年目を数えるという歴戦の強者でございまして、そうなると場違いなのはわたし一人だったんだけど(顔が広くイベント慣れしたお二人に助けられたことも多々)、なんか単にファン歴が長い(リアタイ世代)というだけでチヤホヤしてもらって嬉しいやら申し訳ないやらだぜ。

アフターでも楽しすぎてハジケていっぱい気持ち悪い語りを披露してしまい、付き合わせた皆様に申し訳なかった…。なんか一緒の空間にいるだけで幸せすぎた…。
あんまり楽しかったので思いがほとばしり、語った内容などを作文にしたためました。
よろしければご笑納ください。


わたしと幽白 きくらげ

わたしが幽白と出会ったのは確か小学校4?5?年生のときでした(さっそくウロ)。
当時お友達だったちーちゃんと一緒に本屋さんに行き、何かマンガ本を購読しようという運びになった際、じゃんけんで勝ったちーちゃんは『電影少女』を、わたしは『幽遊白書』を、それぞれに買って回し読むことになったのがきっかけでした。
ちーちゃんはその後中学に入ってファッションに目覚め、オシャレ女子としてわたしの手の届かないところに行ってしまいました。一方わたしは小学校高学年~中学校初期にかけて、地域でも有名なキモオタとして健やかに成長しました。
思えばあのときのじゃんけんがわたしとちーちゃんの道を分けたのだと思います。

わたしは幽助に激ハマりし、当時やってたアニメ(四聖獣編くらいからだったと記憶している)を録画して繰り返し何度も見たり、WJを朝イチで買いに走ったり、アニメディアファンロードを毎月購読したり、部屋じゅうを幽白のポスターだらけにしたり、アニメイトに足繁く通ってグッズを買い占めたりしました。

マロニエプラザのおでライにも行きました。中学一年で出会ったクソオタ仲間と初サークル参加したのも幽白でした。
会場コピーの会場製本で、ボロッボロの本とも呼べないような冊子を作りました。一冊だけ売れ(てしまっ)たのですが、あの時買われた方は、もしかしたらプロの黒歴史ハンターだったのではないかと思っています。お心当たりの方がいらしたら、お願いですからそっと焼却処分してください。

もう本当に好きで好きで、CDは出るたびに全部買った(持ってないPCエンジンの、持ってない幽白ゲームのサントラまで買った)し、持てる金はすべて幽白に注ぎ込んでいました。
親が「この子は幽助としか結婚する気はないだろう」と考えたのも今思えばやむなしでした。
幽助が作中2回目の死を迎えたときには、クラスの男子に「幽助死んだ~」と揶揄われ泣き崩れて保健室に直行しました。
はなきんデータランドのアニメキャラ人気投票で、幽助が蔵馬と飛影を押さえて1位に輝いたときには、嬉しすぎて部屋で『心をつないで』を熱唱しました。

あの頃は、この世で自分がいちばん幽白を愛しているんだろうと思っていました。でも、どうやらそうではなかったようです。日本中、世界中に、わたしと同じかそれ以上に、幽白を愛した人がたくさんいたし、今に至るまでずっと愛し続けている人もたくさんいるのです。それはわたしにとって、すごく嬉しいことでした。
あの狂ったように好きだった作品が、テレビ放映から25年経った今でもこんなに人気があり、また、作品制作に携わった方から今も愛され、守られているなんて、なんという幸せなことでしょうか。

幽白が終わったとき、とてもショックでした。
でももっと悲しかったのは、この作品はもしかして、作者に愛されていなかったのではないかと思ってしまったことでした。
描くのがつらいと思いながら描かれていたのかもしれない、と考えてしまうことがとても嫌でした。
だから正直なところ、楽しそうにのびのびと描かれている『レベルE』や『ハンターハンター』を、初めは純粋に楽しめませんでした。
だって、わたしにとって、幽白はすべてだったのです。
(もちろん今となっては、その2作品もとても大切で、大好きな作品になっています。年をとるというのは、決して悪いことばかりではありませんね)

わたしが幽白のアニメが大好きなのは、原作で描かれなかった物語を最後まで制作スタッフが愛をこめて描き切ってくれたからです。魔界統一トーナメント後半の補完は見事でした。本当に嬉しかった。今も感謝しています。他にも、静流さんと左京さんのアニメオリジナル展開も、ジョルジュ早乙女も全部大好きでした。

幽白・レベルE・ハンターを通して読んで思うのは、冨樫が「異人種は分かり合えるし、共存できる」というテーマを描き続けているのではないかということです。
幽白とレベルEはどちらも、違う世界に棲んでいた者たちが、やがて交ざり合い今までとさほど意識を変えることなく共に暮らしていく、という終わり方をしています。ハンターの蟻編もそうです。

それが最初に描かれたのが、魔界の扉編だったと思います。
魔界の扉を開けたいと望んだ仙水は、最期は樹に連れられて幽助たちの前から姿を消します。あの二人の、恋愛を超えた美しくまた自然な関係は、まだ小学生だったわたしにとって大変センセーショナルでした。
あの、種族を超えて結びついた二人が起こした事件にかかわった人たちは、不思議な能力を手に入れたものの特に問題なくそれぞれの日常に戻っていきます。
やがて仙水の起こした行動をきっかけに、世界は大きく変化します。魔界と人間界を行き来するのは当たり前になり、しかしそれは人々の生活を崩壊させたりはしません。魔物たちと人間は当たり前のように共に生きていきます。
冨樫が描き続けている世界は、時に厳しいけどとても優しい。そんな世界が当たり前に到来すると彼が信じて描き続けていることを、頼もしく思います。

また、冨樫は「悪は存在しない」ということも描いているように思います。
みんなが悪だとする存在は、結局のところ悪ではない。作品の中ではみんなの世界を揺るがすから倒されてしまったとしても、読者には、その悪役は非常に純粋な人物だったと分かるように描かれています。

象徴的なのは、レベルEのカラーレンジャー編の魔王です。魔王として作成されたキャラクターは、最強の能力を付与されたにも関わらず目的の設定をバカ王子が忘れてしまったために、何の力もない無力な王としてレンジャーたちの前に現れます。
レンジャーと王は話し合い、バカ王子を鉄拳粉砕したのち和解を選択。ゲーム世界はそのまま、魔王たちキャラクターの生きる世界として存続することになります。
あれがもしかして、冨樫の理想の実現なのかなと思っています。カラーレンジャー編と、ハンターの蟻編はどこか通じている気がしてなりません。

長々と書いてしまいました。
昨日幽白オンリーのアフターで、思いが溢れすぎて気持ち悪く語った上に伝えきれなかった気がした部分を書き起こしてみましたが、自分は本当に気持ち悪いなと改めて思いました。巻き込んでしまった方に申し訳ない気持ちです。

最後になりましたが、本当に幽白という世界も、そのファンの人たちもすばらしくて、大好きです。
長文を最後まで読んでくださりありがとうございました。