上半期に読んだ本の感想
こんばんは、きくらげです。
月イチ更新しようと心掛けているはずのブログが、なかなか更新できずすみません。
つっても気にしているのはおそらく本人だけと思うが…。気にされてる方がもしいらしたら、すみません。
何書こうかなーとは思ってて、なかなか暇ができず書けませんでした。
今日はここ半年間で読んだ本の感想など書いて、わたくしの偏った読書傾向を御覧に入れようかと思ってます。
『女のいない男たち』
『ねむり』
『そうだ、村上さんに訊いてみよう』(いずれも村上春樹著)
何を隠そう、わたしは村上春樹のファンでございます。
でもハルキストとかいうのは恥ずかしいよね、なんだっけ、本人推奨の呼び名があった筈なんだけどな。
高校生のときに『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』に出会って以来、村上春樹氏はずっとわたしのナンバーワン作家であります。
もうわたしの文章読んだら春樹ファンだとバレバレです。国内で出版された著書(翻訳除く)はほとんどすべて読んでいるし、表現において人生において多大な影響を受けています。
でも新刊出たら即読む、みたいな熱烈ファンではないヌルサポなので、『女のいない~』も今頃になって読みました。しかも読んだの1月だからけっこう内容忘れちゃったな。
全部(現在は)一人身の男性の話なんだけど、全体的におもしろく読みました。
妻に不倫されて一人暮らしをしてる男が小さなバーを開くんだけど、そこに来た客に「あなたはちゃんと傷つくことができていない」みたいなことを言われる(ウロ)話が印象的でした。
『ねむり』は怖かった。挿絵もまた怖かった。
昔短編集に収録されてて一度ならず読んでいるはずなのに、すっかり内容を忘れていたので新鮮に読みました。
『ノルウェイの森』がバカ売れしてしばらく筆が執れずにいた春樹氏が、再び書き始めた最初のお話ということですが、こんなにずんと暗い話から執筆業が再開されるというのはなんともはや、大作家とは豪快でエネルギッシュなものですね。
『そうだ、村上さんに~』は、ネット上で募集したファンからの質問に春樹氏がどんどん答えていくっていう企画をまとめた本。
同じ企画を3回やって計3冊本になっているけども、最近やったときと比べて昔のやつのほうが質問への回答が丁寧な印象ですね。
最近のが雑ってわけじゃないんだけども、似たようなことをたくさん訊かれて疲弊されたのかもしれませんな。
『A to Z』(山田詠美著)
もう痛恨の合わなさであった。
笑っちゃうくらい感覚がちがう。うーーむ。
バリバリのキャリアウーマンっていうイメージがもうね……仕事できてカッコよくて恋愛でも潤ってるワタシ(ハート)みたいな主人公像が、どうにもこう、鼻につく上に微妙に古いという、どうしようもない痛さ…。
『晩年の子供』は不朽の名作だと思うし、『ソウルミュージックラバーズオンリー』とかも再読したらとても良くて再評価していたエイミーだったが、ムムウ…最近の作品にはもう怖くて手が出せないかもしれない。
ファッション誌で連載しているエッセイはなかなか面白くて、美容室でファッション誌を読むときのひそかな楽しみなんだけどなあ。
『舟を編む』
こないだの日記で軽く感想を書いた『舟を編む』がたいへん面白く、文章も好みであったため『まほろ駅前』シリーズに手を出してみたが、図書館にあったからとおもむろに借りてきたのがシリーズ3作目だったという体たらく。
楽しく読めたけれども、いきなり3作目はやってしまったわい。読みながらどうもおかしいと思ったんじゃ…。
『舟を編む』に比べて『まほろ~』はポップというか、キャラもの感強いなーと思ったら、実写映画化しててキャストも素敵な感じだった。なるほどなー。確かに実写映えしそうな感じのお話である。
あとぐぐってみたらこの作家さんは腐のつく方でらっしゃるのですね。なんかすごく納得がいった。女性ウケしそうな感じだなあと思いはしたけど、やっぱりというか。
『舟を編む』のアニメは、今からとてもたのしみです。
『とにかくうちに帰ります』
『ワーカーズ・ダイジェスト』(いずれも津村記久子著)
この作家さん、すごく好きです。
なんというか、考え方や感覚が近い感じがするというか、絶妙な同世代感があります。
友達に『君は永遠にそいつらより若い』と『ミュージック・ブレス・ユー!』を「絶対すきなはずだよ」と勧められて読んでみたところ、確かにとても好きな感じでした。
以来、少しずつほかの作品を読んでみています。
その2作が圧倒的だというのは確か。でも今回読んだ2作もなかなか悪くなかった。
この作者の主人公の持つ、倫理観・正義感にたいへん親近感を覚えます。
キャリアウーマンという言葉にはぴんとこない、まあ普通に、一生働くんかなあと思いつつ漫然と働いている女の人って、きっとみんなこういう感覚で生きてんだよなーと思わせる。エイミーより全然理解できる。やっぱり世代かしら。
しかしこの作家さんは、仕事人の感覚はとてもお上手なんだけど、恋愛を語るのはこっぱずかしくってなあ、という江戸っ子みたいな感じがあるので、この人が書くバリバリの恋愛小説というものも、いっぺん読んでみたいものです。
『あつあつを召し上がれ』(小川糸著)
帰省中にふらっと寄った昔馴染みの本屋で、なんとなく手にとったこの短編集が、今書いてるザキセラ個人誌にドンピシャですごい良いヒントをもらえたので、今軽く運命の一冊のように感じております。
人生の重要な場面に出てくる様々なごはんの話。なかなかの飯テロです。
こんなふうにおいしそうに料理を表現できたらよいのだがな…と、読みながら何度もうなだれました。
一番刺さったのは「いとしのハートコロリット」です。
語り手の感じている空気の閉じ込め方が絶妙にうめえ。
こんな風に風景と雰囲気を表現できたらよいのだろうがな…(うなだれながら)
ここ半年で読んだ本で、今思い出せるのは以上です。
今は森見登見彦の『有頂天家族』の2作目を読んでいます。
1作目のアニメはよくできていたなー。雰囲気ばっちりよ。